12/15(土)練心庵レッスン[仏教讃歌強化月間・最終回]

練心庵でのグループレッスンでした。
10月から始まった、1ヶ月で1曲の仏教讃歌を仕上げるつもりの「仏教讃歌強化月間」、3クール目の最終日でした。
12月のテーマソングは「真宗宗歌」。

先週、音取りにだいぶ時間を取ったことと、すっかり寒くなってきたこともあり、この日はゆっくりたっぷり体に呼吸を通しながらウォーミングアップ。
呼吸を通しながら少しずつ声に移行し、声を出すことに慣れていただきました。

というところで、いざ、「真宗宗歌」。

先週から連続で参加されてる方もいらっしゃったので、音取りもそこそこに、今回は発語を集中的に練習しました。
仏教讃歌はとてもシンプルで短い詩とメロディですが、言葉と音がパーペキに一致していて、まぶしいばかりに情景が浮かび上がる作品がたくさんあります。


例えば、この「真宗宗歌」では、出だしの「深き御法にあいまつる」という歌詞に当てはまるメロディが、この曲の最低音「ド」から、視界が開けるように上行していく。
「ひたすら道を聞きひらき」と言う部分では、足取りが漂うように音が上下に定まらず揺れ動きつつ、
続く「まことの御旨いただかん」という結論に向かってテンションマックス↑↑していきます。


また、メロディに加え、それぞれの単語の音声が、意味を表しています。

M,N,Rといった子音の柔らかさ、まろやかさ。
一方でK,T,S,Hという子音の乾いた鋭い音。
U,Oの母音の深さ。
Aの明るさ。
Iの鋭さ。

そういう感触を味わいながら発音していくことで、「みのり」という言葉の柔らかさや豊かさ、「ききひらき」という言葉の推進力。
というのが立ち上がります。


このメロディと言葉の一致。発音(音声)と意味の一致。
を拾っていくと、ただ「言葉にリズムと音程をつけました」という歌ではなくて、
メロディ、言葉、発音、のそれぞれがお互いに意味を補完し合い、目の前に情景が浮かび、


お出会いできてサイコーにハッピーです!!!


という感情が歌ってる側に溢れかえって、本当に楽しいです。

歌を歌うことは、自分が発する声によって、言った言葉を血肉化していく、という大事な経験なのではないかと思います。
だから、エエ声で芸術的に歌うことよりも、短いながらも言葉一つ一つを丁寧に見ていかなければならないと思います。特に仏教讃歌においては。

ただ、これを声で現前させる気持ちが先走ってしまうと、表現しようにも声が死んでしまって表現できなくなってしまいますので、発声の技術が必要になるんですけど。
 
しかも今回は合気道に興味があるとおっしゃる参加者さんが多かったから、もっと身体感覚的な、同化的な稽古をすればよかったな、とちと後悔したんですが、
でもとりわけ仏教讃歌を扱うなら、自分が何を歌っているかを深掘りせんわけにはいかんやろ。

というわけで、何が必要かわかったところで、また来月以降、稽古です。

(といいつつ来月以降の予定はしばしお待ちください!!)

12/9「声の地図を作る」神戸ワークショップのご報告

12月9日(日)、初の神戸でのワークショップはおかげさまで定員を超えたご参加を賜り、無事開催させていただきました。

テーマは「声の地図を作る」。
どんな抽象的な内容かと思わせつつ、声を動かしまくること筋トレのごとし。

喉を上げて目玉おやじ、喉を下げて和田アキ子、声帯をひっぱって裏声に転じてミッキーマウス。

そうして自分の体の中に隠れている色んな声を引き出してあげると、新しい声を出す度に、いつも通り喋ってるつもりでも、伸びやかに、響く声になります。

ワークショップの中で、声の変化を観察するため、合間合間にみんなで「紅葉」を歌ってみました。(季節が過ぎてしまいましたが)
すると、歌う練習や音を取る練習は何もしてないですが、声が響くだけでなく、高い音も低い音も無理なく、全員の音程が揃うようになりました。

ご参加の皆さんは、体を治すお仕事をされてる方や、体に親しむ方がたくさんいらっしゃったからか、みなさんとっても器用に変身してらっしゃいました。

それは声が器用になってよかったね、という話ではなくて、自分で思ってるよりも、声の幅はすっごく広いということ。
「自分の声」は、今まで生きてきた環境や価値観、習慣によって縛られています。
今の声に満足しているのであれば、その枠組みの外側に出なければならないわけではないけれども、枠組みの外側でも遊べることで、枠組みの中でより自由に過ごすことができます。
そこでは「正しい声」や「良い声」を規定することはできません。
全ての声が、「世界地図」の中の一点です。

声楽を始めた高校生の頃から、「正しい声」から外れてしまう自分の声が、「どうやったら『正しく』なるのだろう?」とずっと探し求めていましたが、
私にとって、この概念に出会えたことは、ただ「声が良くなる」という功利性以上に、声の見方を根底から覆してくれた大きなギフトでした。

終了後、ご参加の方から、たくさん感想をいただきました。
「今まで声を選んでいたことの驚き」から、毎日の嚥下への着目、ご自身の緊張への気付き、寝起きがバレない発声テク、はたまた「合気道したくなった」などなど、私が想定していなかったことまで持ち帰ってくださいました。
この捉え方の幅広さこそが、声の世界の幅広さの表れなのだろうと、嬉しくなりました。

ご参加いただいた方は、ぜひぜひ今後もとらわれずに、自由に声で遊んでください。

気になった方、来月は横浜で同様のワークショップを行います。
ぜひ一緒に遊びましょう。



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日時:2019113日(日)180分~200 
場所:横浜市港北公会堂(神奈川県横浜市港北区大豆戸町26-1
   東急東横線「大倉山駅」より徒歩約7 
定員:10 
受講料:3500円(当日支払、要申込)
お申し込み方法:下記フォームよりお申し込みください。

神戸ワークショップ「声の地図を作る」のお知らせ

神戸で初のワークショップを開催させていただく運びとなりました。


「自分の声が、あまり好きじゃない」
「いまの気持ちがうまく伝わるような、声を出したい」
そんな思いをしたこと、ありませんか。


普段、私たちが「自分の声」と思っているのは、声の世界のごくごく一部。
たとえて言えば、町内のようなものです。
狭い町内だけで、自分の好き/嫌い、うまい/下手を決めつけてしまうのは、もったいない。
まずは自分の「声の地図」を知り、その地図を、町内から世界へ広げてみませんか。
あなたの声が本当に行きたい場所、届けたい場所が、見つかるかもしれません。

【概要】

テーマ:「声の地図を作る」
とき:2018年12月9日(日) 9:30~11:30
ところ:東灘区民センター(JR神戸線 住吉駅徒歩3分)9階視聴覚室
講師:有田亜希子
参加費:3,000円(11月中のお申込みなら2,500円)
定員:15名

【お申し込み】
おかげさまで定員に達しました(11月23日)。ありがとうございました。

袴ズボンの作り方

※本件はボイトレには全く関係ありません。


私はご縁があり、2013年より合気道を習っています。


仕事の合間に、行ける時に行く、という超スローペースでなかなか上達はしませんが、
合気道を通して、
自分の体との付き合い方、相手との関わり方、空間の感じ方を学び、
合気道を始める前と、始めた後の私はまったく違う人間なのではないか、と思えます。
  
毎日仕事に追われて頭ばかり働いて、視界が狭くなってきたところで、
稽古に向かい、
道場に一歩入るとほっとして、
道着に着替えて、袴を履くことで軸が整い、
稽古が始まれば、誰かとの接点から体の進む方向を見つけていく、
という経験を通して、
このように在れば、私は生きていくことができるのだろう、と、
稽古に行く度に実感します。
 
そこで、考えるわけです。
 
 
 
毎日 袴生活したくね?
 
 
 
でも着物はおろか袴で仕事、無理。
 
 
というわけで、ワイドパンツに擬態する袴を作りました。
昨年から、1シーズン2本ずつくらい作り、社会生活しています。
今の所、誰にも突っ込まれてません。
(突っ込まないだけで内心どう思われてるかわかりませんが)
 
動きやすい。
まじで楽。
紐でしばるだけなので多少体型変わっても、食べ過ぎても即対応可能。
動画ではズボン履いてから袴履いてますが、普段は生足で履いてて、めちゃ涼しい。

 


稽古での着替え中、同じ道場の友人に興味を持っていただき、
一緒に制作会をすることになりました。
またこれをツイッターでアップロードしたところ、
大きく拡散され、 武術クラスタ以外の人からも問い合わせを多数いただきました。
 
みんな、そんな袴好きだったの…?
 
というわけで、
作り方を下記に掲載します。
興味ある方はどうぞ作ってください。
型紙も不要ですし、ほぼ直線縫いだけですので、
小学校の家庭科で給食袋が作れた人なら作れます。
 
制作時間:3〜4時間(ミシン使用で)
材料:好きな布地 110㎝幅以上×2m
    糸、はさみ、チャコペン、まち針、定規、アイロン




 
9号くらいまでの女性であればこれで大丈夫かと思います。
それ以上のサイズの方は、ご自身の体型と相談しながら試作を重ねてください。

上記は基本的な作り方ですが、
手をかけられる時は、
  • 布端の処理はジグザグミシンじゃなくて袋縫いにしたら、縫い目が肌にジョリジョリ触らなくて肌心地が良い
  • ベルトループつけたら便利
  • 足部分の布幅を狭めにして、タックを減らしたらすっきりしたシルエットになる(でも股立ちから生足が覗いたりするので小技と計算が必要)
  • 座った時などに股立ちから太ももが覗きそうになったら、あき部分を工程④で切り取った布を縫い付けて塞ぐ
  • 冬は裏地として、ダブルガーゼで足をもう一つ作って重ねたらめちゃぬく肌心地最高。冬の服、裏地がだいたい化繊で、足にゴミ袋まとわりついてるような不快感ですよね。はい解決。

とかパターンは様々あります。
好きなように改変してください。


ウール地で裏地がガーゼの冬用袴(足幅75cm)













チノ生地の春秋袴(足幅75cm)
これは計算ミスでお尻のタックを取る幅がなくて、ヒップラインに沿わず、変なシワが入っています。が気にしてません。









なお、有田は和裁や洋裁を習ったことはおろか、真面目に本を読んで勉強したこともありません。
ごまかしと勢いだけで裁縫をしておりますので上手い方法はよく知りません。
幸い、ゆったりふっくらしたズボンですので、
左右非対称とか、縫い目がガタガタとか、あんまりわかりません。
色々工夫されてみてください。
 
 
 
 で、横浜ボイトレもまだ募集してます!
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【追記:個人レッスンも!】8/31(土)横浜レッスン第5弾のお知らせ
https://namo-voice.blogspot.com/2019/07/831.html?spref=tw

12月1日(土)練心庵レッスン

仏教讃歌月間、3クール目の初回でした。
12月は「真宗宗歌」をテーマに行う予定でしたが、今日は参加者さんのお話を聞いて、歌うよりかは声を整えることに集中した方がいいと判断し、真宗宗歌は脇に置きました(^o^;

普段デスクワークで、毎日たくさんは喋らないという女性。
喉頭上げ下げ、裏声地声、高音低音、長い音短い音、と声をほぐしていくと、1時間ほどでよく響くようになりました。

普段喋らない方、あるいは声を発することにためらいがある方が、よく通るようになった瞬間、鎧がほどけたような雰囲気を醸し出します。
ご本人は「喉が楽」「開いた感じ」「大きい声嬉しい」と色んな言葉で表しますが、声だけでなくて全身がほころんで見えて、それがじーんと嬉しいです。


次回練心庵レッスンは、12月9日(日)、15日(土)18時00分〜です。
単発でのご受講も大歓迎です。
お申し込み・詳細→https://goo.gl/oryzWy

※15日(土)は会場が練心庵2階のそーね事務所に変更になります。

講座・ワークショップについて

複数名でのグループレッスン、講座、ワークショップなど、承ります。
  • 合唱団、演劇団体でのボイストレーニング
  • 教師、僧侶など、仕事に声を使う方への講座
  • お友達同士でのグループレッスン   など


★講座内容の一例★

声の地図を作る(1時間半〜2時間)
声が出るしくみについての概論講義と、声を育てていくための具体的なエクササイズを体験していただきます。
自分で自分の声を判断し、自主練習できる方法をお伝えします。
色んな声を出していくことで、毎回、2時間の講座が終わる頃にはみなさん声が大きくなり、喉の詰まりがなくなった、とおっしゃってます。
 
これまでに、節談説教研究会の研修会(浄土真宗のお説教師さん約80名)や
長浜文化芸術ユース会議でのワークショップ(演劇の方中心に約20名)のほか、
神戸や横浜などで度々開催しています。
 
 
ナマモノの声を知る(2時間)
大正区仏教会にお招きいただいた時に開催しました。
お説教や読経がマンネリ化してしまう、というご相談を受け、
その瞬間の体を感じ続けることで、リアリティのある言葉を伝えられるようになるワークをしました。
 
 
 
その他にも、人数やお悩みに応じてコンテンツ作ります。
まずはご相談ください。

レッスンのお申し込み・お問い合わせ

下記フォームか、メールアドレスよりご送信ください。
 
48時間以内に返信がない場合は、メールが届いていない場合がありますので、
お手数ですが、再度送信をお願い致します。
  
namovoice76★gmail.com(★を@に変えてください。)
現在、スマホから送信フォームがうまく送れないようです。
こちらのアドレスからご送信ください。


★個人レッスンのお申し込みの場合★
レッスン希望日時を第3希望以上と、
日中連絡のとれるお電話番号のご記入もお願いいたします。


ご氏名*必須

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プロフィール


有田 亜希子


中学から合唱を始めた後、大阪にあるいわゆる「音大」で声楽を専攻するも、発声に難有り、路頭に迷う。
 
声は「生まれ持ったもの」?
じゃあ、今、「声がない」私は「いい声」にはならないのか?
「いい声を持っている人」と「持っていない人」は、どこが違っていて、何が足りないのか?
「発声が悪い」というのは、具体的に「何」が悪いのか?
 
という問いから、声楽レッスンと並行して
アレクサンダーテクニーク、野口体操、とボディワークをかじり始め、
体の世界に迷い込む。
2013年には合気道を始め、武術にハマる。 現在初段。
 
紆余曲折を経て音楽家専門の理学療法士の先生に出会い、音楽家に必要な解剖学を教わる他、
フースラーメソードを始めとしたボイトレ理論を学び、
「声は育てていける」と確信を得る。
 
現在は、声楽家、ジャズシンガー、俳優、教師や僧侶、一般事務OLなど、ジャンルを問わず発声指導を展開している。
 

 
でも、声は届ける相手あってこそ。
合気道で経験してきた、「相手を通して自分を観察する」「相手との接点から自分の進む方向を見つける」という感覚を、
「相手に声を伝える」ことに応用する方法を模索しています。
理論的な指導に主軸を置きつつも、「合気道的に歌うことってできるかな」が研究テーマです。
 
 
合気道、楽しいよ!

個人レッスンについて

個人レッスンでは、みなさんの声を聞きながら、
  • 使いきれていない喉の筋肉
  • 過剰に働いてしまう喉の筋肉
  • 声帯を閉じられたらクリアな声になるのに、代わりに呼吸をすごくがんばらせることで達成しようとして、余計できなくなってるな〜
  • 自分の声を気にしすぎてて、伝える相手のことまったく感じられてないな〜

みたいなことを分析して、みなさんの望むゴールに向かうために、
適切な練習方法をお伝えし、声を育てていきます。
 
歌う方はもちろん、教師、セミナー講師、俳優、僧侶など、様々な職種・声種の方に効果を感じていただいています。
  
 
こんな方に!
  • 声が小さい
  • よく聞きかえされる
  • 音程が取れない
  • 高い声が出ない
  • 声を育てる方法がわからない
  • この曲の、この部分だけ、うまく声が出ない!
  • 友達と1時間お茶しながら話してるだけで声が枯れる
  • 相手を前にすると緊張して話せない
  • 自分の声が嫌い
  • そもそも自分の声がよくわからない
  • 特に声に関わることは何もしてないし、なんやわからんけど声で遊んでみたい
 
レッスン時間
ご希望に応じて都度相談
 
 
レッスン場所
京都市営地下鉄「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」近くのスタジオ

その他、大阪本町、神戸市東灘区でも不定期にレッスンを行っています。
 

レッスン料金
1コマ30分3,500円(場所代込み)
1回に60分〜90分連続での受講も可能です。

☆入会金・月謝など不要


キャンセル・レッスン日の変更について
やむを得ない事情で、キャンセルやレッスン日の変更を希望される場合は、必ずご連絡ください。
また、下記の通りキャンセル料を頂戴いたしますことをご了承ください。

・3日前0時以降のキャンセル・変更… 50%
・2日前18時以降のキャンセル・変更…  100%
 
 
お願い 
レッスン会場の確保のため、できるだけお早めにご予約ください。
希望日の3日前までにはご予約いただけるとありがたいです。

ごあいさつ

「自分の声」について、どんな印象がありますか?
 
ぼそぼそしてる。深い声で喋りたい。好き。嫌い。
 
でも、そのように評価している声は、ご自身の声の在り方のごく一部です。
 
いつも足を組んじゃう。
いつも右足に体重をかけて立っちゃう。
 
といった体の癖があるのと同じように、「私の声はこんな声」と思っているのも、
声の「いつも」の癖の表れです。
 
「いつも」とは違う声を出してみることで、
「いつも」の癖を離れ、今まで知らなかった声の可能性を知り、
使いこなしていくことができます。
  
オペラのような深い声、
ガテン親父のようなドス声、
魔女が出してそうなひょうきんな声。
もちろん、いつものワタシの声。
 
自分で思ってるよりも、喉にはたくさんの声が眠っています。
そして、色んな声を拓いていくことが、

思いを声で自由に表現していくための栄養になります。
 
「正しい声」や「間違った声」はありません。
 
みなさんの生活や、表現の場。
あるいは やりたい表現。
あるいは 相手との関係、距離。
 
それぞれで適切な声は変わってくるはずです。
みなさんが、誰とどのように関わって、どんな声を届けたいのか。
そこから、ご自身の声との付き合い方をご提案します。
 
声が特別に商売道具ではない人も、ほとんどの人が声を使って生活をしています。
「おはよう」で朝を迎え、
「お願い」や「ありがとう」を伝えながら過ごし、
「おやすみなさい」で一日が終わる。
といった毎日の繰り返しの中で、
声がみなさんの日々の生活の味方になってくれるように、
お手伝いをさせてください。